Charles Bkowski(ブコウスキー)という作家をご存知の方は多いと思う。
恥ずかしながら、最近になって、ようやく、彼の遺作にして最高傑作と名高い Pulp(パルプ)を読んだ。
1990年代に発表された作品で、主人公は LA を拠点とした55歳の私立探偵。
酒と競馬だけが彼の人生。そこに、さまざまな依頼人が現れる。
対応の仕方は実にテキトーなのだが、最後はきっちり答えが出る。偶然にも。
彼は言う...
「人は死ぬために生まれてくる...」
「人はいつも何かを待っている。病院で。レストランで。クライアントの指示で...」
極めつけは、
「このレースはツイてなかった。今日はツイてなかった。今週はツイてなかった。今月は... 今年は... そしておれの人生は... フン... 」
一見すると暗い言葉ばかりだが、彼の手にかかると、これらの言葉が、実に軽快に、そして読む者に勇気を与えてくれる。そうだ。グタグタしていても始まらない。この瞬間を思うように対処すればいい。
最後の終わり方はよくわからなかったが、実にステキな本だった。きっと死ぬまで手放さないと思う。そして何度も何度も繰り返し読むことになると思う。
最近私は、本をどんどん捨てている。千冊以上あったはずだが、今はついに百冊を切るところまで絞りこんだ。
-MK
それでも私にとって最愛の作家は「坂口安吾」です。